田植え前の必須作業、田起こし。
田起こしとは秋の収穫を増やすことを目的とし、乾いた田んぼの土を掘り起こし、深く耕し地力を向上させる作業です。
カチカチに固まった冬眠空けの田んぼに息吹を吹きこみ、田んぼの土をふかふかベッドへ様変わりさせます。
4月も後半になり天候も落ち着き、晴れの日が続き土埃が立つようになると田起こしのサイン。
トラクターにロータリー(耕耘用の刃がついたアタッチメント)を取り付け、田んぼをうないます(うなう=耕耘)。
田起こしには下記メリットがあります。
乾土効果
土を乾かすと土中に含まれているチッソ成分が稲に吸収されやすい形へと変化し、チッソ肥料が増加します。
また深く耕すことによって、より多くの土が空気に触れ(含有)、稲を植えた時の根の成長が促されます。
でもあまり深く耕しすぎるとぬかるんでしまい、田植え機が泥にハマってしまうので注意が必要。
雑草を防ぐ
雑草の種子を土中深くへ埋め込むことにより、雑草が生えてくることを減らす効果があります。
有機物を鋤き込む
秋の収穫後、田んぼには稲の切り株と刈り草(有機物)がそのまま残っていて、ロータリーで土もろともかき回すことで土中に有機物を鋤き込み、この有機物をミミズや微生物が分解し有機質肥料(チッソ、リン酸、カリウム含む)が生成されます。
肥料の三大要素はチッソ、リン酸、カリウム。
チッソは葉・茎の生育促進、リン酸は根の生育促進、カリウムは茎・根を丈夫にし暑さ寒さへの耐候性、病害虫への抵抗性を高めるのに重要な要素となります。
土を細かく砕く
細かく砕かれた土と切り株などの有機物がくっついたものは(団粒構造の土)、排水性・通気性・保水性・保肥性・保温性が高まり、良いことづくしです。
一つ一つの田んぼを丁寧にうない終えると、次は代掻き。
代掻きではさらに土を細かく砕き、土の表面を平らにしていきます。
自然と植物相手なので、田植えが終わるまで待ったなしの作業が続きます。